相続小ネタ集1. 使えない?相続土地国庫帰属制度(お上はしたたか?)
|ω・) ソーッ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。
今年始まった相続土地国庫帰属制度についての解説となります。
長さからして、全然小ネタとは言えませんが、犬神家のシリーズとはまた別にお楽しみください。
① 相続土地国庫帰属制度とは?
田舎でよくあるケースだが、山林を相続で貰ったのはいいけど、よくよく考えたら、間伐やら何やらで管理の手間も費用もかかる。格安とはいえ固定資産税も掛かってくる。秋に松茸が山ほど採れるなら話は別だが、はっきり言って要らない。
そんな時、申請して、手数料と管理負担金(原則土地一筆あたり20万円)を納入することで国庫に返上(帰属させる)ができる。これが相続土地国庫帰属の制度。
参考HP:法務省:相続土地国庫帰属制度について (moj.go.jp)令和5年4月27日スタート
② 相続した現金類はキープできても、いわゆる負動産は国もなかなか引き取ってくれない。
手間暇と金だけがかかる山林のような負動産をジョーカーに見立ててみる。つまり市民と不動産屋と国という三人のプレイヤーで「ババ抜き」をするようなもの。市民が持つ「ババ」を他のプレイヤーに掴ませようとしても、不動産屋は目が効くから、どの札が「ババ」なのか簡単に見抜いてしまって絶対に引いてくれない。
ならば国に。国は不動産屋ほど目は効かないから安牌だろうと思いきや、絶大な権力を背景に・・・
「お上にババを掴ませた日には、どうなるかわかっておろうのう?」と目で牽制してくる。どんな牽制かと言うと、それは帰属申請の却下もしくは不承認だったりする。
ちなみに、国庫帰属させるにあたって、宅地であればあらかじめ建物を取り壊して更地にしておかなくてはならない。
ほかにも例えば・・・
「対象の土地が崖に面していたり、急勾配で使いづらい。はっきり言って使えねー」
「所有権等をめぐって他人と係争中の土地はダメ」
「抵当権などが設定されている(借金のカタにとられる危険性がある)」
「山林であれば、クマの巣があったり、スズメバチの巣があったりした場合は、危険度が高いので承認しない」
などの制限を設けている。つまりお上に渡したいのであれば、曰くのないきれいな土地しか許さん! ということ。
クマの巣はともかく、スズメバチの巣なんてどこの山林にもあるでしょーが!! でも、こんな場合でも業者を呼んできれいに除去してからでないと国は引き取ってくれない。つまり、余計な管理費は掛けたくないということ。
余談ですが、こういう所に目を付けた業者なんかが、「あなたのお山に太陽光パネル設置しませんか?」と話を持ち掛けてくるということもあります。
どうでしょう? こんな「ババ抜き」ゲームだと、とてもじゃないけど一般市民に勝ち目はない。結局のところ、実際に運用が始まったら問題が噴出しそうですね。そして、「こんな制度使えねー!!」と、市民側のブーイングの声が大きくなって抑えきれなくなったところでようやく制度見直し。こんな感じになりそうな気がしてなりません。まあ、実際に運用が始まってからでないと、どうなるかはよく解らないというのが現状。
いずれにせよ、お上は思った以上にしたたかだということ。まあ、今に始まった事ではありませんがね。続編はまた後日やりたいと思っています。
ほなまた。失礼!
|彡. サッ!!