すっきりわかる家族法道場 22.この子誰の子? その壱(2022年改正以前)

|ω・) ソーッ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。



 離婚のパートも終了。ここからテーマは「親子」・「親権」・「後見」・「扶養」・「相続」と次第に面白くなってきますが、可能な限りシリーズを長く続けられるよう、丁寧に解説をしていきたいと思います。(日々ネタ切れとの闘い・・・w)



 まずは親子関係。一番の鉄則は、「子を分娩した女性=母」という公式です。これは何があっても揺らぎません。そのあと養子縁組などで「養母」がつくケースもでてきますが、「実方の親(実母)」という事実は一生消えることはありません。


ところが父は誰か?・・・ということになってくると若干話がややこしくなってきます。
「ととさまは誰?」
これが、この子誰の子問題というわけです。簡単に纏めてみました。2022年の法改正以前のお話になります。




 「推定されない嫡出子」の扱いですが、実務上は夫の子として扱うという慣行で処理されて来ました。よってここは余り考える必要はなし。厳密に言えば「推定されない」のであるから、認知が必要という理屈になるのですが、いわゆる内縁状態からの「できちゃった婚」に対して、いちいちややこしい認知をさせるのも現実的ではないな・・・という配慮からのものです。



 やがて離婚し再婚。ここで、どのタイミングで新しい夫との子が出生したかによって、大袈裟ですが明暗が別れることになります。離婚(婚姻解消)から300日を経過していれば、文句なく新たな夫の子と認められるのですが、若干早かった場合はどうなるか?
前婚でかなりの期間にわたって交渉....(夜伽と呼ぶ人も)...が無かったとしても、この300日ルールが障害となって、前夫の子と推定されてしまうのです。


 さて、前婚の解消原因が夫のDVであった場合どうでしょう? 家裁による調停や裁判の場で、見たくもない凶暴夫と顔を合わさなければなりません。下手をすれば乱闘騒ぎの危険性も。これが嫌で出生届を控えるという無戸籍児が一時問題になりましたが、ここで実務上の救済措置が編み出されました。


 2007年5月7日「法務省民事局通達」 これにより、懐胎(妊娠)時期が夫との離婚後であれば、調停・裁判の手続きなしに「懐胎時期に関する証明書」を添付することによって新夫を父とする出生届が出来るようになりました。
 ただし、あくまでも実務上の救済に過ぎず、ある意味宙ぶらりんの状態であったため、いっそのこと明文化すべき! ということで2022年の改正に至ったという流れになります。
次回はその2022年改正の内容について触れてみたいと思います。





ほなまた。失礼!
|彡. サッ!!