相続?なにそれ、おいしいの? 13.負けるな静馬の強制認知


|ω・) ソーッ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。



 本日も所用のため異例の時間帯での記事UPとなります。好評「相続?なにそれ、おいしいの?」シリーズの13/52です。よろしくお願いします。



 佐兵衛の血を受け継ぎながら、ことごとく認知の機会を逃してしまったという、気の毒な青沼静馬ですが、なにか手はないものでしょうか?



↓前回の記事


 


これがあれば大逆転も?
静馬に残された、とっておきの奥の手、それは・・・?





 佐兵衛の遺言にも、静馬の認知について言及はありませんでした。さらには、認知をして貰おうにも、肝心の佐兵衛はもうこの世の者ではありません。まさに万策尽きたかに見える状況。このまま遺産を一円も貰えずに泣き寝入りするしかないのか?
 いえ、方法はあります。いたってシンプル。松竹梅と佐清・佐武・佐智。それから野々宮珠世、合計7人を殺害してしまえば・・・・・・。いいえ、そういう物騒な手段は要りません。
 たとえ佐兵衛が死亡したとしても、静馬が認知を獲得することはできます。”強制認知”(民法787条)という方法です。ちょっと退屈ですが、条文をみておきましょう。



民法787条:子、その他の直系卑属(孫・曾孫とか)又はこれらの法定代理人(未成年者の親権者とか)は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。


 裁判を起こして、裁判所から「被告人の子である」という判決を勝ち取ることで、「子」の立場を獲得するということです。佐兵衛の死亡日から三年以内に静馬が戦地から帰還して訴え出れば、認知を獲得できるかもということになります。なお、この裁判では被告は佐兵衛ということになります・・・・・・。・・・・・・・・・・・・ん? ^^;あれ??
 でも佐兵衛死んじまってるやんか! そんな状態で裁判もへったくれもないやん! ごもっともです。相手方はあの世の者ですから、青森からイタコでも呼んで降霊させるとか・・・。いえいえ、そんなオカルトな手を使う必要はありません。


 このような場合、実務的には”検事”が被告役となり、その検事を相手に、裁判を進めるということになっています。そして、強制認知が成立した暁には、静馬は松子・竹子・梅子と並んで、佐兵衛の四人目の子となり、前回仮定した相続財産1200億円の1/4(300億)が手に入ります。すなわち遺留分は、その半分150億になります。
 もっとも、現代であればDNA鑑定などの技術がありますので、かなり容易に親子関係の有無を確認することができます。ところが、いかんせん舞台は昭和20年代ですからね、血液型鑑定ぐらいしかなかったでしょう。親子関係の立証はかなり難航するのではないかと思いますが、法律的には静馬が救われる道もあるというお話でした。


 本日は少し短めですが、切れのいいところで失礼したいと思います・・・。次回をお楽しみに。



ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!