相続小ネタ集 20.相続放棄しても抜けられないババ抜きゲーム

|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。


 ・・・このたび相続することになりました。しかし、現金類は欲しいけど実家の土地建物なんかは要りません。そんなジレンマを抱えつつとりあえず相続したはいいものの・・・。



結局、こういう例はあとをたちません。



 実際の相続場面でカネはもらうよ・・・でも不動産は要らん。という都合のいい事は出来ないのが現状。空き家の管理が嫌だからと、全面的に何も要らん(相続放棄)ことにして、
「は~。やれやれ、解放された」となるかと言うと、ところがどっこい、そうは問屋が卸さないことがあります。


民法940条1項
 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。



 他の相続人が引き継ぐことになったのなら、その人に渡すまで管理。また、相続人が全員放棄した場合、その遺産はすべて国庫に帰ることになります。現金類などは比較的簡単に手続きが済んでしまいますが、不動産はなかなかそうもいかない。となると、当面のつなぎとして放棄した人が管理する。さもなくば相続財産清算人を立ててお願いする。いずれかしないといけません。


 これを放っていた場合、ご近所の苦情、例えば植木の枝がこっちにまで伸びて来て鬱陶しいとか、壁が崩れそうでヤバい。もし通行人に怪我でもさせようものなら、賠償責任が発生してしまいます。
 ただ、肝になるのは「現に占有しているとき」です。ちょっと前までその家住んでましたた。とか、その土地で家庭菜園してます・・・はアウトですね。まったく存在すらも相続まで知らなかったし、立ち入ったこともない・・・これは「現に占有」とはみなしにくくなります。しかし、だからと言って100%ほっかむりで済むのか・・・? 微妙なところだと思います。結局、放棄したからと言って、要らない負動産をめぐるババ抜きゲームからは、そう簡単には抜けられないということになります。
 本当に誰も要らないのなら、すみやかに家裁に相続財産清算人の選任を請求するのが良いと言えそうです。



カネはもらうけど、不動産は要らん・・・そういう都合のいい相続を望む場合は、相続土地国庫帰属制度を利用することになりますが、上に建物が有ったらダメとか、結構制約が多いものです。


参考:法務省案内リーフレット
https://www.moj.go.jp/content/001417231.pdf




ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!