相続?なにそれ、おいしいの?・・・48.死亡退職金の扱いと特別受益(後編)
|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。
では、次のケースに参りましょう・・・勤め先に明確な規定がない場合ですが、これではどうなるか?
この場合、死亡退職金は相続人共有の相続財産に含まれることになります。すると、生命保険の死亡保険金のように、持戻しが発生するケースも出てきます。配偶者の勤め先の規定がどうなっているか? 一度確認してみることをお勧めします。
また、Bが相続放棄していた場合ですが、この場合Bは死亡退職金も受け取ることが出来なくなります。これが全体的な実務場面においては多数派のようです。ただし、持戻しを認めなかった判例もあり、説の対立も伺えます。たとえば・・・
”ある財団法人に、死亡退職金支払いの規定がなく、生存配偶者に死亡退職金が支給決定された。この事案においても、相続人代表として生存配偶者に支給されたのではなく、相続という関係を離れて、生存配偶者に支給されたものと解すべきである。
(昭和62年3月3日最高裁判決)”
参考文献:新プリメール民法5 家族法〔第3版〕 (αブックス) [ 床谷 文雄 ]
法律文化社2023年 床谷文雄・神谷遊・稲垣朋子・小川恵・幡野弘樹
この判例ですが、何もこの一冊だけではなく、別の出版社によるテキストでも紹介されています。実務上の多数派は、持戻しを認める立場なのですが、そこにはあまり触れずに、ストレートに判例を紹介・・・(-ω-;) おそらく、執筆者の意図というのか、バイアスみたいな物も感じますね。
「実務上はいざ知らず、学説の立場はこうだ!」
と、声高に叫んでいるようにも見えます。もっと専門的な、いわゆる「学者本」になってくると、さらにバイアスが強くかかってくる傾向を感じます。
「法学」に限らず、ほかの学術分野でも、例え初心者向けの「入門書」でも、多少のバイアスはかかってくるもの。盲目的に信じるというのもちょっと・・・。そう割り切って、複数の書籍を見比べたりする工夫も必要ですね。「でも金が・・・」そういう時は図書館を活用しましょう。
ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!