すっきりわかる家族法道場・・・16.夫婦財産制。ヘソクリは不法行為? その参(子にも災禍が及ぶ?)
|ω・) ソーッ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。
本日はスキーに出ているため、予約投稿での対応となります。
この話題まだやるんかい? まだ続きますが今回で終わりです。前回はヘソクリがばれた場合の離婚時財産分与と、損害賠償責任について触れましたが、今回はさらに相続にも踏み込んでみることにします。離婚後月日が流れて相続が発生。さあどうなった?
そして・・・幸いにもバレずに20年間逃げ切った場合を想定。不法行為による損害賠償請求の時効は・・・
民法724条:不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一号:被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しない時。
二号:不法行為の時から二十年間行使しない時。
このようになっています。こうなると図の通りまんまと逃げきり。これで相続人C男君も安泰ということになります。しかし・・・
気付かれてしまって損害賠償請求の訴訟を起こされ敗訴。ヘソクリ額の半分に相当する150万円をA助に支払えとの確定判決が出てしまった場合、B子がその賠償責任を果たさないまま死亡してしまったら、その損害賠償債務は、相続人であるC男が相続することになります。相続されるのは、何もプラスの財産ばかりに限らない。これは過去の回でもたびたび触れてきましたよね?
さらに踏み込めば、どうもB子さん、別に膨大な借金を抱えているらしい。このまま行けばトータルでマイナスを背負わされる事になるのではないか・・・・・・。
こんな時には相続放棄や限定承認を使えることも紹介してきました。いずれにせよ、バレた時のことを考えると子供に塁が及ぶこともある。なので要注意。ヘソクリなんて考えずに、公明正大にやるに越したことはない。と言うお話でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・というわけで、行政書士試験受験生向けの復習タイムです。一般の方もよろしければ是非。
夫婦ABの法定財産制について、1から4までの記述の正誤を判断してください。
1. Aが婚姻前から有する預金はAの特有財産である。
→〇
2. Aが対価を出して不動産を購入し、ABの合意によりお金を出していないBの名義で登記した。この場合この不動産はBの特有財産にはならない。
→〇(最高裁判決・昭和34年7月14日)
3. Aが婚姻後に得た給与は、AB夫婦の共有財産である。
→×(いったんはAの特有財産に計上され、そこから婚姻費用(生活費など)を出し合うことになります)
4. ABいずれに属するか不明な財産は、その共有と推定される
→〇(夫婦でお金を出し合って家を買ったような場合ですね)
ほなまた。失礼!
|彡. サッ!!