相続?なにそれ、おいしいの?  22.犬神佐兵衛の養子縁組? その壱(普通養子)


|ω・) ソーッ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。



『相続?なにそれ、おいしいの?』シリーズ22/52となります。



 原作を読んでいく限りでは、おなじみ松子・竹子・梅子の三姉妹は認知された婚外子(非嫡出子)であろうということは、以前の回でも言ってきましたので、この三姉妹には今回ご登場は遠慮して頂くことにします。



 そこで今回は、身寄りを失って、犬神家で養育されていた野々宮珠世を養子にとりたい。と佐兵衛が思った場合どうなるか考えてみたいと思います。まずは、民法792条。


 民法792条:二十歳に達した者は養子をすることができる。 となっています。令和4年4月1日をもって、成人年齢を18歳に引き下げる改正が行われましたが、養親となる資格については、20歳のままなんです。ここが民法改正のややこしいところでもありますね。
 ただし、この点については、いずれにしても佐兵衛はクリアしているので問題はありません。生涯妻を持たなかった佐兵衛でも養子をとることは可能です。


 つまり、珠世の合意があれば(ただし珠世が満15歳に達している必要あり)佐兵衛と晴れて養親子関係になります。満15歳というのは、以前に遺言の回にも触れました。「満15歳に達したものは遺言をすることが出来る」というやつですね。15歳を以って意思能力が備わったとみなすというやつです。
 ただし、この場合、珠世はまだ未成年者なので家庭裁判所の許可が要ります。ちなみに、珠世が15歳未満であれば、親権者(珠世にはいませんので、それに替わる法定代理人・・・例えば児童相談所長など)の同意がさらに必要(民法797条)になります。これを代諾養子縁組と呼びます。これがいわゆる普通養子と呼ばれるものですが、気を付けたいのが特別養子というやつです。


 系図を見ての通り、珠世はことごとく親族を亡くし、親権者がいない状態であったと推測されるため、佐兵衛が珠世の未成年後見人をつとめていたという可能性があります。
 ただし、小説を読み解く限りでは、珠世と養子縁組した形跡はありません。養子縁組をしていれば、珠世には佐兵衛の子として相続権が発生するので、あの禍々しい遺言の内容もやや異なったものになるはずです。

 この場合の養子縁組も、未成年者が対象であれば家庭裁判所の許可が必要になります(民法794条)。ここまでが普通養子と呼ばれるものになります。
 つまり、普通養子の場合、15歳未満は代諾と家裁の許可がセット。15歳以上で未成年であれば本人の同意と家裁の許可がセット。成人していれば本人の同意だけで成立ということになります。

 なお、未成年後見人と、いわゆる里親は必ずしもイコールではありませんので注意が必要です。そもそも里親は、諸般の事情で親権者がいない、または、親権者の虐待から引き離す目的で一時的に養育し、一人前になったら独り立ちさせることが建前になっています。一時的な養育が目的なので、法的な面まで面倒を見る後見という行為までは想定していません。  
 また仮に、情が移ってこういう子(15歳未満と想定)を養子にとりたいのであれば、代諾養子縁組(普通養子縁組の一種)または、特別養子ということになります。




 ところが、この特別養子と言う制度。佐兵衛にとってはなかなかのクセモノなのです。そのへんについては、次回触れたいと思います。それではまた。



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ほなまた。失礼!
|彡. サッ!!