法的よもやま話・・・使える民法、時効の話(その壱)

|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。



 いきなりですが「時効」と聞いて何を思い出しますか? おそらく半数以上は刑事モノでよく出てくる「時効」を想像されたかと・・・。たしか15年で公訴期限が切れて時効・・・近年の刑法改正で今や殺人罪などは時効が無くなりましたが。


 しかし、今日の時効は民法のお話です。それも借金など債務の消滅時効。時効完成のイメージは下の図の通り、債務の発生日、すなわち借金そのものをした日から10年もしくは、借金を返せと言える権利が発生していると知った日から5年です。
 なお、よく言われる「過払い金請求の時効は10年」これは、権利者が権利が発生していることを知らないケースが多いから、というのが理由として考えられます。




 例えば、貸し出しの日から一年後に返済が開始する約束にもかかわらず、いきなり返済が滞ってしまった場合などです。
 早い話「返して下さい」と催告したとしても、効果を生むのは最初の一回目だけ。それも一旦(6か月)時効の進行が止まる(猶予)と言うだけで、たとえば1回目の催告から6か月ギリギリのタイミングで催告を繰り返したとしても、2回目以降はその効果もありません。
 しかし「ごめん。滞納してるけどいつかは返すから・・・」と言質を取ることが出来れば、これは更新という事になり、時効期間がまたゼロからスタートすることになります。まさにReゼロ、ゼロから始まる借金生活・・・です。


簡単に理解するなら、
猶予=ポーズボタン
更新=リセットボタン
とイメージしてください。



 別に債務とは借金に限ったものではなく、例えばマンションの月々の管理費・共益費なども該当します。次回はこの管理費・共益費をネタに自身の経験に基づいて解説したいと思いますので、先に言っておきました。
 もうひとつ、会社が従業員に支払うべき賃金も債務に当たります(会社にとっては債務。従業員にとっては債権です)


 ところが、つい最近までこの賃金債権については、労働基準法により時効が2年とされてきました。これ、おかしいですね? なんで民法に合わせないのか? おそらくは「生死に直結しかねない債権なのだから、労働者もとっとと請求するはずだ・・・」というところも有ったのかと考えます。


 しかし、これも猶予期間を設けつつ、民法の5年に合わせようということになっています。恐らくもう猶予期間は明けたのかな? 詳しくは下のHPを参照ください。


(参考:連合HP)



 とは言うものの、うっかり時効期間を過ごしてしまったので「えらいこっちゃ!」となることも少なくありません。そんな時はどうすれば・・・・・・?




次回に続きます。



ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!