すっきりわかる家族法道場 34.こんな養子縁組未遂もありました・・・

|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。


 現在やっているこの「養子」というパート。いろいろと面白い、などと言っては不謹慎かみ知れませんが、興味深いテーマが続きます。今やっている普通養子から特別養子、これについては後日触れますが、そういう流れでしばらく続きますです。


 世の中には悪人が尽きることなく、いろんな悪知恵をめぐらせてきます。これから紹介するのも、悪人とまではいかなくのですが、いわゆる「ズルい人々」。いったいどんなズルい養子縁組をしようとして「ダメ!」と言われたのか? ちょっと見てみましょう。



1.兵役を逃れるための養子縁組
 判例でこのような養子縁組は無効とされたそうですが、広くブローカー的な者も存在していたようで、これは思うに「ドジを踏んでバレてしまったケース」と考えた方がよさそうです。明らかに徴兵適齢期が過ぎたらコイツは離縁してもとの家に戻るであろう・・・というのが相当に見え透いていたのだと思われます。
 そう! 長男など将来の戸主となる者つまり後嗣ぎの男子、韓流ドラマでいうところの「世子(セジャ)様」には招集が来ないという仕組みで、わざと男子に恵まれない家に次男以降を送り込む・・・そういう手法です。ただ、いつの判例だったのかは調べがつきませんでしたが、恐らく明治22年(1889年)よりも前の話でしょう。この年に長男も徴兵されるように法改正されていますので。



参考:日本における徴兵忌避
-国家への異議申し立てとして-
http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/3600/1/0150_022_001.pdf


2.芸妓稼業が目的の養子縁組
 これもいつの判例かはわかりませんが、おそらく実子を、例えばお茶屋さん的なところに養子として差し入れ・・・そんなところだと思われます。これも純粋に子供が欲しい・・・というわけでもなく、稼がせて以下略。そのような意図が見え透いていたために無効とされたのでしょうね。




 いかがでしょう。戦前はなにかと酷い時代だったようです。こういうものを扱うブローカーも暗躍していたのでしょう。あまりにも露骨なものは、無効という司法の鉄槌が下されましたが、その網から逃れる者も多く、かなり不公平感が充満した世界だったのでは?と推測します。





ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!