著作権こぼれ話・・・5.アレが商標登録だって?(著作権と似て非なるもの)

|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。

 

プロ野球もベストナインが決まってストーブリーグへと突入です。過去の話を蒸し返すようですが、実はあの岡田監督の口癖が、なんと知的財産として認定されていたという、驚きの事実です。



過去のサンスポの記事です・・・
www.sanspo.com


 商標権ってなに? という話の前に、同じ知的財産権の代表格である著作権とどう違うのかを考えてみたいと思います。まず、著作物の定義ですが、


著作権法2条1項:この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一号:著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二号:著作者 著作物を創作する者をいう。


 単なる個人の口癖で創作性もないし、そもそも、関西の人間であれば「そらそうよ」なんて普遍的な常套句です。よって「そらそうよ」は著作物にあたりません。ただし、志村けんの「アィーン」のような、独創性の高い物については、一発ギャグであっても争いの余地が有って微妙とする説もあるようです。
 さらに、著作物が創作された時点で著作権が自然的に発生するとされています(著作権法51条1項) 例えば、小説なら最後の一文字を書き終えた瞬間ですね。それに対し、商標権は特許庁の登録が完了しなければ権利が発生しません。商標権が発生すると、独占的に利用することが可能になり、類似品などを排除することも出来るようになります。
 登録された商標が一般名詞化してしまった例もありますね。例えば「宅急便」とか、いまは「宅配便」と呼び代えることも多くなりましたが・・・。


 しかし、ただの口癖で商標登録が認められたのは驚きです。阪神球団もダメ元のつもりで出願したのかも知れません。去年の11月に出願して、かれこれ7か月もかかっていますから、随分と審査が長びいた気もします。
 商標登録が認められたことによって、「そらそうよ」の文字が躍ったタオルなどが、中継に映り込むようにもなりましたね。
 もちろん、他の業者が勝手に「そらそうよタオル」を作って販売することはできません。昔の阪神球団と言えば殿様商売というか、どんなに弱くても客が入るし、成績低迷を理由に選手の年棒も絞れるし・・・結局儲かる。そんな印象でしたが、監督の口癖を商品化してしまうあたり、随分と変わったなと思います。阪急と合体して、阪急阪神東宝グループになったのを転機に、商魂逞しくなった気がします。




商標登録について、詳しく解説された政府広報のHPがありますので、紹介しておきます。
www.gov-online.go.jp


 ちなみにこのHP、J-PlatPatの「商標検索」という機能があります。そこから「そらそうよ」で検索してみて下さい。「株式会社阪神タイガース」のほか、もう一社全く関係のなさそうな大阪府内の会社が登録を出願しているようです。多分、先勝ちで「株式会社阪神タイガース」が登録されて、もう一社の方は認められない。そんな可能性も考えられますね。


 でも、これって阪神球団が権利を持ってるので、当の岡田監督本人には一銭も入ってこないはずなんですよね・・・。ひょっとしたら、利益の数パーセントを年棒に上乗せする。みたいなオプション契約があるのかも知れませんが(笑)
 来年のインタビューでも景気のいい「そらそうよ」連発を期待したいところではあります。



ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!