『老子』を読み返してみた・・・30.これが戦上手


|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。


 今回は戦争というものに触れた章になります。戦上手とはどのような者を指すのか? その戦術というよりも、戦略・・・もっと言えば指導者の心構えと考えて頂くのがいいかと思います。



『老子』第30章


善者果而巳矣。・・・中略・・・物壮則老、謂之不道。不道早巳。
善くするものは果たして巳む(やむ)・・・中略・・・物壮(さかん)なれば則ち老ゆ、これを不道と謂う。不道は早く巳む。


訳:戦上手は目的を果たしたらさっさと矛を収める。・・・中略・・・強い(壮い)者は必ず衰える。なぜなら不自然(不道)だから。不自然なものはさっさと衰えてしまう。




 ・・・盛者必衰のことわり、ということになるんでしょうか? おごれる者も久しからず。まさに平家物語の境地ですね。ここで古代中国と国文学の繋がりというものが見えてきます。そもそも戦自体が最大の不自然なわけですから、そんなものが長続きするわけがない。
 当然と言えば当然なんですが、トコトンまで相手を詰めたうえで完全勝利。そんなものを目指していたら、いたずらに恨みや反感を買うばかり。挙句の果てに滅亡を早めてしまう・・・なにも良いことはありませんね。



こんな簡単な事、わかってる筈なんだけどな・・・。





参考文献:守屋 洋著『新釈 老子』
PHP文庫1988年



ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!