すっきりわかる家族法道場 46.アニメみたいな親族関係終了した妹と結婚とか?


|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。



 アニメ等でありがちな親族関係・・・。両親が離婚、兄妹それぞれが別の親の親権に服しているため、苗字も違います。パッと見で他人同士に見えるものの、普通に兄妹として交流しているのですが、そんな事を知る由もない周囲には、二人が付き合っているとしか見えない。そんなシチュエーションってありませんか?
 


今日は、そんな形の「特別養子バージョン」について考察してみましょう。 

 上に書いたシチュエーションを図にしてみました。事情があって妹の方は佐藤さんちの特別養子に迎えられ、実父母との親子関係が消滅しています。父母との関係が赤の他人になった以上、兄とも他人同士の関係となってしまいます。


 ・・・さて、ここで倫理的には問題ありありですが、この赤の他人状態になっているのを根拠に、兄妹が婚姻できるか? という疑問です。
 結論から言うと、残念ながら婚姻は不可能です。妹と実方との縁は切れているのだから、別にいいじゃないか? と思いがちですが、実は条文によってきっちりと予防線が張られているのです。


(条文)民法734条
1項:直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。・・・後略
2項:第817条の9の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。


 この2項の文言が曲者でして・・・。817条の9というのがすなわち「特別養子縁組による実方との絶縁」を指しています。つまり・・・・・・


縁切れてるからいけると思った? そうはいかんざき!


 ・・・ということですね。そういうわけで、この兄妹のとんでもない目論見は成就しないことになってしまうのでした。




いやはや。うまく出来てますね。




ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!