『老子』を読み返してみた・・・29.天下取りの秘訣
|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。
今回はちょっと実践的な章とも言えるでしょう。もともと『老子』そのものが、純粋な哲学というよりは、現実的というか現世利益を目指している、つまり生活と人生の知恵そのものを説いたものであるという性格が強い。そういう要素があります。
さて、天下を取るにはいかにすればいいのでしょうか?
『老子』第29章
将欲取天下而為之、吾見其不得巳。夫天下神器也。非可為者也。
まさに天下を取らんと欲してこれを為すは、吾、その得ざるを見るのみ。夫れ天下は神器なり。為すべき者に非ざるなり。
訳:天下を取ろうと策を為す者が天下を取れたためしがない。天下とは(神秘な神器のように)不思議なものである。為そう(取ろう)として為せるものではないのだ。
・・・天下を取りたいなら、取ろうとしてはならない。なんか、身もフタもないというか、どうすりゃいいの?という世界ですが。積極的を通り越した妄動を戒めた章と理解する方が良い感じです。なんなら、積極性を排して消極姿勢を守った方が良いまで有りそうです。
ここでふと思いつくのは、家康でしょうか? よくたとえ話で「信長が突いて、秀吉がこねた餅を家康が食った」と言われています。まあ、家康さんとて何もしてなかったわけではないですが、じっと我慢して待ってた印象はあります。まさに、こういう姿勢を指すのでは・・・そう考えると何となく合点がいくものです。
決して諦めるわけではないけど、なんなら諦めたかのように見せつつ、こっそり虎視眈々チャンスを伺う・・・そんなしぶとくしたたかな戦略と考えればいいでしょうか?
参考文献:守屋 洋著『新釈 老子』
PHP文庫1988年
ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!