『老子』を読み返してみた・・・28.控えめに徹する処世術


|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。



 今回は『老子』の28章です。この章も『老子』独特の逆説的な処世術を説く章になっています。




『老子』第28章


知其雄、守其雌、為天下渓。為天下渓、恒徳不離。・・・中略・・・
知其白、守其辱、為天下谷。為天下谷、恒徳乃足。


その雄を知り、その雌を守れば、天下の渓となる。天下の渓となれば、恒徳離れず。
・・・中略・・・
その白を知り、その辱を守れば、天下の谷となる。天下の谷となれば、恒徳すなわち足る。



男の強さを知りつつも、あえて女の弱さに徹するならば、もろもろの流れを集める渓となる。そうすれば万物を受け入れられる。・・・中略・・・潔白を良しとしつつも、あえて汚辱の中に身を置けば、もろもろの流れを集める谷となる。そうすれば万物を包容することができる。


 ・・・何が何でも「俺が俺が」「私が私が」 
そんな感じでオラついた人というのは、どうにも苦手ですが、そういう所に通じる部分がありそうです。むしろ、意識的に下位に控えていたほうが支持を自然に集められる。そういう「柔」の姿勢に徹した、したたかな戦略が伺えます。


 たしかにまあ、オラついている人物というのは、ある時には頼もしいものですが・・・。さて? そのお盛んな勢い、いつまで続きますかね? そういう危うさを孕んでいないとも言い切れません。やってるほうも、オラオラと無理に威勢を張るのは、けっこう疲れますしね。



肩ひじ張らずに快適に・・・ですか。



参考文献:守屋 洋著『新釈 老子』
PHP文庫1988年



ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!