相続?なにそれ、おいしいの?・・・51.血より金! 金の切れ目が・・・(その弐・熟慮期間)

|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。


 
 孤独死した御老人が、迷惑は掛けずに済むように・・・と残した「血の出るようなお金」すら有効に使えない。そんなケースがある。そんなお話の続編です。




前回



 ほかに亡くなった御老人がたも、「ワシの預金150万、あそこにあるのに・・・。なんで? 迷惑かけるつもりなんて毛頭なかったんやで」と、虹の橋の向こうでもどかしい思いをしているかも知れません。しかしお爺ちゃん。向こうからいくら叫んでも、娑婆にその声は届きませんので・・・。残念ですが、化けて出ても解ってもらえません。



・・・・・・・・・
「こんなことになる前にお爺ちゃん? 生前にやっておけば良かったって思う事、ありません?」



「もちろん金やろ? 150万やで! 火葬場の費用ぐらいは残したはずやのに・・・」



「血の出るような150万円ですね。でも、お金を残すだけじゃダメなんです。万が一相続人が居たらと思うと、うっかり預金の払い戻しも出来ない。だから、銀行のガードが固くなるのも仕方ない。銀行にしても、相続人からドロボー呼ばわりされたら、困りますし」



「しかし、わし天涯孤独やで? 相続人なんか居てへんの判り切っとるがな」



「判り切っていても、一応戸籍とか調べてから、相続人不存在の確認を取らないとダメらしいんです。例えが悪いけど、お爺ちゃんが知らないところで、異母兄弟とかが居るかもしれません。お役所にも問題はあります、相続人の調査なんかができる人材が不足しているとか」



「ウチの親父は浮気なんかしとらんわ。もう! どないせえっちゅーねん? 」



 では考えてみましょう。心ならずも、同じ庶民としてのなけなしの税金に手をつけて、将来世代にほんの少しであっても、ツケ回しをせずに済む方法を。個人として、どのような工夫が可能なのか検証してみたいと思います。次回も、おひとりさま必見です。
「さて・・・と」
「あれれ? お爺ちゃん、もうお帰りで?」
「まあ、いろんな話も聞けたしな」
「ちょっと待った。ついでに、ドリフじゃないけど、”もしものコーナー”も聞いてみません? どうせあっちに帰っても暇でしょ?」
「・・・しゃあないな。もう一話付き合ったるわ。で? なんの話なん?」
「熟慮期間ってやつですね」
「なに! ジュク・・・・・・?」


 熟慮期間というのは、簡単に言うと「相続しよっかな? 放棄しよっかな?」とじっくり悩むために与えられた猶予期間のようなものです。例えば、お爺ちゃんの知らないところで異母兄弟が居て、その人が亡くなり、相続人調査の結果、お爺ちゃんの存在が浮上してきた。お爺ちゃんの存在を知った弁護士などから、「相続の通知」が送られてくることがあります。


「・・・このまえの話の蒸し返しかいな? だからワシにはそんなんおらんちゅうの!」
「いえいえ、だから”もしものコーナー”です。さて、お爺ちゃん。この通知を受けたとしたら、あなたはどうします?」
「・・・もらえるもんなら有難く頂いとくか」




普通ならこの選択をするでしょうが、ところがどっこい・・・
次回に続きます。



ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!