相続?なにそれ、おいしいの?・・・45.この子を残して、ペットに遺産?

|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。




(-ω-;)ペットに遺産・・・どこぞの2時間ドラマで出てきそうなシチュエーション
(;'∀') あ・・・あくまでもフィクションだからね。火サスとか土ワイとか二時間ドラマね。



 民法上、ペットは「人」ではなく、残念ながら「物」の扱いになってしまいます。だから、縁起の悪い話ですが、可愛いワンコを車で轢かれても、加害者には「器物損壊」の罪を問う程度しかできません。


 相続もしかりで、対象はあくまでも「人」。そのまんまの「人」つまり「自然人」は当然ですが、「法人」も含まれます。よく〇〇法人という言葉を耳にしますが、「法」によって「人」と認められた、略して「法人」です。ちなみに会社も法人の一種です。
 普通は寿命の短いペットを人間がお見送り・・・、というパターンが大多数ですが、人の方が先立ってというケースがないわけではありません。実際、私の伯父がそうでした。



先代ワンコ「むく」 (~2016年)♀生年不詳。



 諸々の事情で相続人が引き取れなかった子を、2008年秋、宮崎→伊丹へと飛行機に乗せて、我が家にお迎え。当然客室には連れ込みできませんので、専用のペット室で移動です。飛行機の轟音は怖かったと思います。ちなみに、このときはまだ、ガチガチの犬派。
たまたま引き取り手が居たからよかったものの、家族同然のペットの行く末、やはり気になりますね。かと言って、こちらもあちこちと体が悪い。どうやらこの子のお見送りをつとめられそうにない。そんな場合どうすればいいか・・・? 
 実は、「人」を介して間接的に遺産を与える方法があります。それは「負担付遺贈」と呼ばれるやり方です。まず、誰か信頼のおける人を探して、その人に遺贈します。
民法1002条1項:負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の範囲を超えない限度額においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。




 どういうことかと言えば、あらかじめそのような趣旨の遺言を遺しておくのです。例えば・・・・・・古めかしく犬神佐兵衛風の文調で書いてみましょうか。


1項:受遺者〇〇は、その遺贈を受けたる財産のうち50%を、我が遺したる愛犬「ムク」の養育に充て、終生その面倒を見るべし。
2項:「ムク」の養育にあたり、その三度の食事は、宮崎産最高級地鶏のササミ肉を与うるべし。三時のおやつには、最高級のちゅーるを与うるべし。
3項:「ムク」が病みたる折には、受遺者〇〇は最先端医療技術を以ってその治療と延命に努むるべし。
4項:3項に定めたる事項は、受遺者〇〇が自己の財産を用いてペット保険に加入することを妨げない。
5項:受遺者〇〇が死亡等により、上記の義務を遂行することが不可能となりたる場合、遺贈されたる財産の残余部分につき、××が引き継ぎ、1項から4項に定むる義務をも引き継ぐものとす。
6項:1項より5項まで定めたる義務遂行につき、△△県弁護士会所属の◇◇弁護士を遺言執行者に指名し、我が遺言に定めたる義務について、誠実なる履行がされているか、その監督の任を委託するものとす。


こんな感じですかね?



 最高級宮崎産地鶏や最高級のちゅーるが、常識的な養育条件として、そのまま認められるかどうかは置いといて、まあ、常識的な範囲内であれば、ある程度の条件を付けるのもアリかな? と思います。


 任せられる個人が思い当たらないような場合、ペットの終生預かりをやっている「法人」に託すのも一つの手ですが、遺言執行者が口を出しにくくなるかも知れませんので、その辺は要注意。さらに、「経営破綻」のリスクも皆無ではありませんから、「ホントに大丈夫な法人なのか?」慎重な選定が必要になります。5項については、〇〇さんがダメになったら、「次は××さん。宜しく頼むよ」という予備的条項と呼ばれるものになります。
ちなみに、遺言執行者の権利義務については、次のように定められています。
1012条1項:遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。






ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!