相続小ネタ集 25.亡くなりかたで相続財産も変わる話?
|ω・) ソーッ・・・ 皆さん、ご機嫌よろしゅうに。
何回かこのシリーズ、それ以外のところでも紹介してきたとは思いますが、債務いわゆる借金も相続財産に入ってしまう(マイナス評価の財産)というのは既にご存じかと。
似たような感覚で、例えば故人が他人にお金を貸していて、それの未返済分が残っている。そういう話になれば、その債権も相続財産に入ります。
・・・ということは? 損害賠償の請求権も相続財産に入って来るという理屈になります。例えば何かの事件や事故で不幸にも死亡したケース。極端に言うと「どんな亡くなり方」をしたか?によって明暗が分れることも有るんです。
例えば、怪我をさせられた挙句に死亡したこのケース。被害者は次のような言葉を残して亡くなりました。
「向こうが悪い。止める余裕あったのに止めなかった」
相手を責める、呪う、そんな気持ちから飛び出した言葉ですが、これが慰謝料請求の意思有りとみなされて、結果的に遺族がその損害賠償請求権を相続したという判例があります。
(大審院判決昭和12年8月6日)注:大審院は当時の最高裁判所にあたります
ところが、逆のケースも・・・。乗っていた船があえなく転覆。海に放り出された挙句に亡くなったこのケース。被害者はもがきながらひとこと。
「助けてくれ!」
このケースでは残念ながら、損害賠償請求の意思有りとは認められませんでした。
(東京高裁判決昭和8年5月26日) 溺れそうになったらほぼ誰でも「助けてくれ」ぐらいは言いますよね。だから、これはちょっと・・・という感じです。
なので、これがもし「〇〇汽船許さん!謝罪と賠償を・・・・・・」という亡くなりかたで、さらに確たる証人が居た場合には、また別の展開になったのかも知れません。
ただ、こんな事ばかりが続いたのでは、いくらなんでも被害者と遺族に気の毒ではないかと、見直す判例がのちに出てくるようになりました。つまり、意思表示のいとまもなく亡くなったような場合は除外して考える・・・そういう方向になって、現在ではその考え方が支持されています。
不謹慎かもしれませんが、いい人すぎて何も言わないのも、損をする場面がある・・・ということでしょうか。
ほなまた! 失礼!
|彡. サッ!!